五稜化学社長ブログ
新規蛍光素材を扱う化学メーカー 五稜化学(株)
代表取締役 丸山健一のブログです。

2011年04月10日

会社は頭から腐る。

今日は、冨山さんが書いた
ビジネス


会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」


のご紹介です。
初版からすでに4年が経ちますが、久しぶりに読み返して、経営の本質は色あせない
事を物語る良書です。

冨山さんといえば、産業再生機構でカネボウなどの企業再生や、
JAL再生タスクフォースで知っている方も多いのではないでしょうか。
今は経営共創基盤(IGPI)を率いられています。

当時これを買った時期はビジネススクールからVC事務所に入所し間もなく、
現場を走り回っていたので本を読むゆとりはありませんでした。また、MBAで
本を買い込んでは片っ端から読んで行くような生活を続けていたので、
本に食傷気味の時期でもあったのですが、本屋で「会社は頭から腐る。」
のタイトルを見た時は、その吸引力に引かれ、ついつい購入しました。

冨山さん自身もタイトルは編集者がつけたと言うもののインパクトがあります。
でその中身はベンチャーキャピタリストでも、事業再生士(ターンアラウンダー)でも、
戦略コンサルでも、事業に関与する者は一度は読んでおいてもよい本です。

この本中にも常々書かれていますが、「経営とは合理と情理の正反合一である。」にこの本の
要諦は集約されます。これは、澁澤栄一の「片手にそろばん、片手に論語」と通じるものであり、
アルフレッド・マーシャルによる至言「cool head, warm heart」も同質で、古今東西、
経営の本質は変わらない事を意味します。

本書の特徴は、様々なトレードオフがぶつかる経営の現場において
短期的な考えと長期的な考え、合理と情理、自社益と社会益に対し、決着をつけるのは、
本当の意味での会社の根本理念や哲学である事を、実際のカネボウや老舗旅館の再生実例を
挙げて列挙している点にあります。

ただ・・根本理念で持って合理と情理を合一するといっても、その過程はのたうち回ってでも
結果を出すまでの胆力が要求されます。

この視点は、VC時にも村口さんから「七転八倒しながらでもやりきる能力」
が投資先には求められると事あるごとに聞かされていたので、スタートアップで
あろうがレイトステージであろうが経営の本質は変わない事を意味しています。

で、投資担当者としては七転八倒どころか、十転十一倒してもやりきる胆力が要求されます。
それは、スタートアップ間もない会社の状態から始める経営者と事業を創って行き、
且つ直接事業には手を下せないけれど事業の不確実な未来に投資する訳だから、
経営者以上に、胆力が必要です。

当時MBA出たての頭でっかちな投資担当者として、ようやく二転三倒し始めたぐらいで、
さぁこの難局をどう乗り越えるか。と息巻いていたので、冨山さんの本は、
今後自身の身に起こりうる数々の難局を予告しているようで印象に残りました。
(実際、相似した事例はいくつも担当投資先で経験しました。)

で、本にもあるようにガチンコ勝負かっこ良く言えば修羅場を経験しないと、
いくら村口さんから投資プロセスを学んでも、投資先からは信頼されないという事です。
ウェットな考えですが、当時の自分は投資先社長とは戦友ぐらいの気持ちでいようと
常々心がけていました。

今、自社に落とし込むと、一緒にのたうち回ってくれる何人の人間と仕事ができるかが
事業の正否の分かれ目になると考えています。最近言われてうれしかったのは取引先から
「生き残ってもらわないと困る。」
でしょうか。こういう言葉に真剣に応えたいし、どんどん数を増やしていかねばと考えています。

正反合一の道を進んで行かなければならないとしても。



ちなみに一度、冨山さんのセミナー懇親会で直接ご本人とお話する機会を頂きました。
正反合一の話もさせて頂きました。その帰り際、論語の話になり、読んだ事はあるかと
尋ねられ、「一通りは。」と答え、続けて冨山さんに「では泣いた事はあるか?」と聞かれ、
まだまだのたうち回らないといけないと本気で思いました。








posted by 丸山健一 at 19:47| 北海道 🌁| ビジネス本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月04日

できる研究室。

商売柄、大学研究室へ訪問させて頂く機会も多い。
扱っている商材がPOLARIC(ポラリック)蛍光色素ということもあり、バイオ系以外でも
物質材料系、測定系など様々な分野の研究室を訪問させて頂く。

最近になってよく思うのが、かつてVCで企業訪問を数々繰り返していたが、
本質的にラボマネジメントと企業経営は、相似していると感じる。

研究室なら学生、企業であれば社員ということになるが、
特に研究室では秘書さんに初期対応して頂く機会が多い。

一般に、秘書さんがしっかりしている先生の研究は相関してレベルが高い。
また所属学生さんと話しても研究内容はともかく、プレゼンもシャープである。
何より話していて清々しい。

この雰囲気というか全体感は、企業文化の醸成と同じで、育成には時間がかかる物であり、
よいラボマネジメントの結果であると言える。

さしずめ企業であれば、社長のマネジメントいかんで社風も変われば、社員の雰囲気も変わる。
VC時代は、担当先の玄関ドアを開けた瞬間、社員の何気ない対応をよく注視していれば、
月次業績、顧客対応の進捗、モチベーションなど混ぜこぜになって体感できる。

研究室も同じように、学生のモチベーション、研究業績、グラントの獲得状況など雰囲気となって
感じることができる。

ラボマネジメントのお勧め本は
ビジネス


アット・ザ・ヘルム―自分のラボをもつ日のために


一読の価値はあると思います。

ではビジネスサイドからは、
ビジネス


スリッパの法則 - プロの投資家が教える「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方


ということになるのでしょうか(笑)。

余談ですが、とある研究室で帰り際に秘書さんにコートをさりげなく肩にかけて頂いた時、
企業ならまだしも、こういう何気ないところに
研究室のレベルが現れるもんだと一人納得してしまいました。

posted by 丸山健一 at 20:57| 北海道 ☀| ビジネス本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月27日

Four Steps to the Epiphany.

今回は、ビジネス本の紹介。

「アントレプレナーの教科書」
ビジネス


アントレプレナーの教科書



Steve Blank氏によって書かれた事業立ち上げ手法に関する本。

本書は、前職NTVPの研修本として村口さんから紹介された。(さすが村口さんよく見てる。笑)

はじめはありきたりの創業本かなと思い、軽く聞き流していましたが、
強く勧められるので読んでみると。。。

この本のエッセンスは、前書きの一つの言葉に集約されている。

引用すると
「多くの起業家は自分の旅が独特のものだと感じる。
しかしそれは間違いで、スタートアップの道は
十分踏み固められており、十分理解されている。
問題はだれもそれを記していなし、それに気づいていないこと。」

前書きを要約すると
「スタートアップの成功と失敗には浮かび上がるパターンがある。
すなわち、成功へのパターン(道筋)の理解こそが、スタートアップの
とてつもないリスクを除去または軽減し、大きな成功企業に成長させる
道筋をつける。」

今でもこの本を初めて読んだときの事を鮮明に覚えています。
というのは、自分が投資実務で5社担当していた現場に置いても、
いつか感じた「既視感」を伴って、自分に落とし込む事が出来たからです。

(村口さんも若手投資部員にその事を伝えたかったのかもしれない。。今思えば。)

要は古今東西、西洋東洋問わず、事業立ち上げに関する成功へのストラテジーは、
パターン化されている事を物語っている。
(よく創業の失敗は千差万別と言われますが、お笑いぐさだという事です。)

今後は、各章それぞれ読み応えがあるので当社の事業立ち上げとリンクさせながら、
この本を紹介したいと思います。企業の成長ステージに応じて、
この本にある4つのステップを踏む事が、成功への道筋だと考えています。

当社も暗闇の中で試行錯誤しながら道を探って進んで行く初期の
スタートアップ特有の苦労から解放されるために愚直になぞりたいと考えています。

今後のキーワードは、
「顧客開発」・・・・顧客からの学習と発見のプロセスを生み出す開発手法の事。
次回は聞き慣れないこの顧客開発の各4ステップについて説明します。
当社製品 POLARIC(ポラリック)も4つのステップを通じて顧客を相手に
学習と発見を繰り返し、本当の製品にならなければなりません。
ここでの繰り返し速度が当社の生死に関わると言っても過言ではありません。

最後に
「アントレプレナーの教科書」の
原著タイトルが、「Four Steps to the Epiphany」....

epiphany
【名】
エピファニー、〔本質・意味についての〕突然のひらめき
・I've just had an epiphany. : 今突然ひらめいた。
《the Epiphany》御公現の祝日◆キリスト教の祭日。
東方の三博士のベツレヘム来訪を祝う日で、Twelfth Dayともいう。

と言う事だそうです。
日本語訳タイトルと原著タイトルのあまりの違いに違和感を感じるのは僕だけでしょうか(笑)

この原著本の中も宗教用語がちりばめられていますが、要は2000年前の聖書から
引用されるほど、創業の成功と失敗は繰り返されている事象であると言えるのかもしれません。

原著に興味のある方はここからどうぞ。↓
http://steveblank.com/about/

epiphany.png
(表紙からはビジネス本とは思われない。笑 むしろ宗教本。。)

著者のSteve.G.Blank氏は自身の投資経験を幅広く活かし、
スタンフォードMBAはじめカルフォルニア大にて教育指導にもあたっている。













posted by 丸山健一 at 19:12| 北海道 🌁| ビジネス本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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